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  • 感光基板とは?
  • 感光基板とはオリジナル基板が作成出来る基板の事です。 「サンハヤト」と言う会社から販売されているものを使用します。 サンハヤトは基板を作成する為の道具、材料を販売しているのでサンハヤトのホームページを御覧になる事をお勧めします。  「オリジナル基板とはなんぞや?」と聞こえてきそうですが、ユニバーサル基板をご存知でしょうか?ユニバーサル基板は 基板に穴が沢山開いていますよね?そこに部品を配置して線で一つ一つ配線を行います。しかし、これでは見た目も悪い し面倒なものです。ではプリント基板というのはご存知でしょうか?たいがい我々が目撃する基板は電化製品の中にあるような 緑色の基板です。あの基板はどうでしょうか?「パターン」と呼ばれる線が基板上を走っていてそこに電気がながれています。 そうです。「その基板」を製作するのです。(緑色の処理はおこないません。)
     
     ではどうやって基板を作るのでしょうか?昔は「えっちら、ほっちら」テープでラインを引いたりしていましたが今では 「CAD」でパターンを設計できるようになりました。「CADは高価だから買えないよ」とおっしゃるあなた! 親切な方による「無料のCAD(基板設計用)」が存在するのです。そちらの使い方は別の日に・・・
     
    作業の流れは下記の様になります。
     
    <作業の流れ>
    @ パターンの設計(PCBCAD)
    A フィルムの作成
    B 感光
    C 洗浄
    D エッチング
    E 膜取
    F 穴あけ
    G エッチング除去

     ここではAのフィルム作成から説明を行います。

    上図はPCBCADの例
  • 道具を揃える
  • では、実際に基板を作るに当たり必要なものはなんでしょうか?最低限必要なものは現像液とエッチング液、それらを入れるタッパーのようなものと割り箸。これだけあればなんとか基板は作成できます。しかし、この様なものでは太い線が数本並んでいるだけの基板しか作成できません。密度の高い基板を作成するには必要最低限次のものを用意するのが望ましいとされています。  まずは現像を行う前の露光を行う為に必要な光源。この光源をどうするかがはじめの悩みどころです。高いものはいいのがわかっていてもお金がないし、自分で作るのもなんだし。。。という人にお勧めなのがサンハヤト製の「ちびライト」です
    タイマー機能もついていますから、露光しながら次の作業の段取りを行うことが可能です。ちびライトを使う場合のコツとしては露光している間は移動させて基板全体に満遍なく光が当たるようにする事です。そうしないと基板の端の露光が悪く、配線が細くなったりなくなったりします。  露光を行う時に印刷したフィルムと感光基板を密着させる必要があります。ちびライトに簡易的なものが付属しているのでそちらを使うのもいいと思いますが、やはりお金を出した方が仕上がりがよくなります。はじめのうちはちびライトの付属品で構わないと思いますが慣れてくると回路も複雑になると思いますのでサンハヤト製の「バキュームクランプ」を用意するのがベストだと思います。
    バキュームクランプとは何をするものでしょう?写真左側の透明な部分に感光基板とフィルムをはさんで右側のポンプのスイッチを入れると、中の空気が吸い出されて感光基板とフィルムが密着するという仕組みのものです。この密着が仕上がりに大きく関係してくるので是非用意してほしい装置です。  露光が終了した感光基板を線状する時、エッチングする時に「液体に浸す」と言う作業になります。その液体には適温と言いますか「この温度でなくては駄目」という決まりがあります。そこで液体を温めるのと同時に液の温度を一定に保つ装置が「サーモヒーター」です。お約束どおりサンハヤトの商品です。
    バットの中に洗浄剤、エッチング液をいれてサーモヒーターの上に乗せて電源を入れると温度があがります。必要な温度から−5℃の温度になった時に設定つまみを戻すと温度を一定に保ってくれるようになっています。  バットは洗浄用とエッチング用で一番小さいのを2つ、それらを入れる事の出来る一番大きなものを1つ用意しておくのがベターです。  温度計や穴を開けるドリルなどが必要になりますが、それらはこの後に説明が出てきますのでそちらを参照下さい。
  • フィルムを作る
  • 道具が揃ったらフィルムを作成します。フィルムはサンハヤトの「インクジェットフィルム」を使用する事をお勧めします。OHPフィルムでも可能ですが、仕上がりのエッジに差がでます。はじめは3枚入りの実売1400円程度のものを用意するのがベストです。インクジェットフィルムというくらいですから、当然インクジェットプリンタも必要になります。説明といってもPCBEで作成したデータをフィルムへ印刷するだけです。
    フィルム自体は透明なのですが、印刷状態がわかりやすいように下に白い紙を敷いて写真を撮っています。見てもらうとわかりますが、一枚の感光基板から10枚の基板を作成するようにフィルムがなっています。
     フィルムを作る上での注意は、
    @ 試し印刷をしてパターンのショートを確認する
    A プリンタへフィルムを挿入する方向を間違えない
     くらいのものです。
  • 感光
  • さて、ようやく基板作りらしくなる作業がはじまりました。ここで必要なのはバキュームクランプ(ちびライトに付属のクランプでもよい)とちびライトです。バキュームクランプの説明は先にしたように感光基板とフィルムを密着させるものです。
    上の写真がバキュームクランプに感光基板とフィルムを重ねた写真です。亡霊がうつっていますが、それは気にしないことに。。。片面基板だとあまり気にしなくてよいですが、両面基板の場合は上下の位置を気にしないといけません。フィルムに感光基板と同じ厚みの基板をセロテープでとめて上下の位置関係を合わせてそのなかに感光基板を挟み込むという作業が両面基板には必要になります。(なかなか難しい)  今回は片面基板なのであまり気にしません。基板とフィルムの印刷がまっすぐになるようにだけ気をつけて挟みこみます。ここで一つ注意が必要なのですが、感光基板とフィルムの接する面は「印刷した面」であるということです。この理由についてはよくしりませんが、恐らくフィルムの厚みの分だけ光が分散する為だとおもいます。  クランプで感光基板とフィルムを密着させたら次はようやくちびライトの出番です。「こんなもので本当に大丈夫なのか?」というくらいちびライトは見た目が貧弱ですが実力は抜群です。
    クランプの上に直接ちびライトを置いて感光するのが私のスタイルです。今回は間違って横向きに挟んでしまったのでこの様な形になっていますが、縦に基板を置くとちびライトがちょうどクランプの金属部分の上に乗るのでクランプを痛める事がありません。(基板の大きさによりますが) 感光時間は感光基板の製造年月からどれだけの日がたっているかと言うことに関係します。感光基板は製造より1年以上たったものは望ましくないといわれています。よって、「買い溜めは駄目!」ということになります。私の感光時間はだいたい8分から10分です。これは基板全体を感光する為にちびライトを移動することを考慮した時間です。恐らくもう少し早くてもよいのだとおもいますが、8分以下で終わらせたことがないのでなんとも言えません。タイマーつまみをセットしていると「チーン」とオーブンのタイマーと同じような音がなり終了を知らせてくれます。
  • 現像
  • 感光済み基板はうっすらと回路が見えています。ここでも亡霊が見えていますが気にしないで下さい。(そこまでして写りたいか!)  薄い緑と濃い緑色になっているのがわかるでしょうか?現像とはこの薄い緑の部分を洗い流す?剥がす?為の作業です。個々で用意するものはバット小、バット大、サーモヒーター、温度計、ピンセット現像剤です。
     
     
     
     
     
    上の写真の左側が感光剤、右側がピンセットです。ピンセットは小さなものを連想しそうですが、とても大きなもので「なんぢゃこりゃ?」とはじめは思ってしまいます。バットに基板が浸りそうな水を入れます。私はだいたい200cc〜250cc入れています。そこに感光剤「DP−10」を入れます。サーミヒーターに乗せて温度を25度から30度位に現像液の温度を調整します。あっ!用意するものを一つ忘れていました。温度計も必要ですね。温度計を見ながら温度管理を行いましょう。サンハヤトの温度計は現像適温とエッチング適温に色がついていてわかりやすいです。(バットにも書いていますが)適温になったら感光済み基板を現像液の中に浸します。浸したらピンセットでゆらゆらゆらしましょう。
    上の写真が現像をはじめてちょっとたったくらいの写真です。(20秒くらい)現像液のなかで基板をゆらすと薄い色だったところの色がはがれて銅色になります。ここでゆらゆら揺らさないとなかなか終わらず、回路の部分までも溶けてしまいます。ちょっと大げさなくらい動かさないとなかなか溶けません。
    で、上がほぼ現像が終了した基板です。はっきりと回路の部分が残っているのがわかるでしょうか?現像の途中で何度か現像液から基板をあげて仕上がり具合を確認するようにしましょう。だいたい1分くらいで完了します。現像の作業は簡単です。現像が終了したら水洗いします。
    上の写真が現像済みの基板です。パターンの部分は感光後と変わりませんが、不要な部分が銅色になっています。銅色というより銅そのものなのですが。(えっ?違うの?)この状態ではまだ基板全体が導通したままです。基板として機能させる為には不要な部分を除去する必要があります。それが次の章で説明する「エッチング」という作業です。
  • エッチング
  • 現像液とは別のバット小にエッチング液を入れます。私は200ccのエッチング液をドバドバと注ぐだけです。エッチング液は黒色に見えますが濃い茶色です。このエッチング液は単体では問題ないそうなのですが、基板をエッチングすると有毒物に指定されるそうなので取扱には注意が必要です。
     先ほど温度計の写真がなかったのでここで紹介します。温度計の真ん中くらいに青くラインが入っていますがこの青いラインが現像温度で赤いラインがエッチング温度です。このいかにも怪しい液体の中に現像済み基板を浸します。そして現像と同じようにゆらゆら揺らします。
    ピンセットで揺らす
    上の写真がエッチング途中の写真です。基板の端の方が銅色から茶色へ変わっているのがわかるでしょうか?これは銅がはがれて基板の素材が見えているためにこのようになります。エッチングは特に難しい作業です。「どうなるのか?」「どうなったらおわりなのか?」がわからないとうまくいきません。私もはじめは失敗しました。時間は大体10分程度です。これは仕上がり具合を見ながらのことなので時間はまちまちです。(エッチング液の温度でもかわる)よく「○○分以上は駄目」とか見かけますが、一概にそうは言えません。これは本当に「仕上がり具合をみて判断する」のがベストだと思います。  エッチングをする専用の装置があります。「卓上エッチング装置」というものです。「セラミックヒーター」との組み合わせで「エッチング層」として完成します。値段もそんなに高くないので購入したのですが、エッチング液が1300cc必要な事が判明し不要物になってしまいました。エッチング液は廃液処理をして破棄する必要があり、少量で使用するのがベストだからです。よって、我が家のエッチング装置は箱から出たことがありません。エッチングが終了したら水洗いします。
    上がエッチング済みの基板です。現像済みの基板との違いがわかるでしょうか?不要な胴の部分が剥がれ落ちてパターンのみが残っています。これでようやく基板として機能します。と行きたいところですがまだ終わりではありません。
  • 仕上げ
  •  仕上げとは何ぞやと思われるでしょう。エッチング済みの基板はまだパターンの上に保護がかかった状態になっています。これを最終的に除去する作業が必要になります。昔は面倒な作業を行っていたのですが、最近は早く終わる方法が流行っています。  まずは再びちびライトの出番です。エッチング済みの基板をちびライトで2分間感光します。この感光は基板全体がちびライトに覆いかぶさっている場合は感光の時とことなり、全体に満遍なく光が当たるように動かす必要はありません。
    一応ちびライトの下に基板が入っています。この作業は2分間タイマーセットするだけで後は待つだけなのでじっと待ちましょう。
    「チーン」となるとここで再び現像液の登場です。やることは現像と変わらず液の中でゆらゆら揺さぶるだけです。  パターンの部分の銅が全体に確認できたら終了です。水洗いしましょう。
    基板の半完成です!あとはカットと穴あけを残すのみ。出来上がったら穴を開ける前にチェックをしましょう。パターンタッチがある場合はカッターナイフなどで削ります。パターンが切れてしまっている場合はジャンパーをする必要があります。今回製作したような簡単なパターンの基板ではそうそう失敗することはありません。
  • 完成させる
  • では、最終的に完成させましょう。まずは基板をカットします。一枚物の基板を作成した場合はこの作業は不要です。カットはアクリルカッターで行うのがベストですが、ない場合はカッターナイフで構いません。 これがカット後の基板です。基板のカットするラインの上面と下面にカッターナイフで溝を作ります。机の角などで少し体重をかけるとパキッときれいに割れます。このとき上と下の溝が合っていないと斜めに割れてしまいます。見た目がよろしくないので丁寧に作業をしましょう。 次は穴あけです。
    サンハヤトのドリルとドリル台です。穴あけはドリルで机を傷つけないようにコルク板等を引いて行いましょう。パターンのセンターに穴を開けるのはなかなか難しいですが、慣れるとそれほど苦にはなりません。200箇所くらいの穴あけなら楽勝です。 一箇所穴を開け忘れていますが穴あけが終了した基板です。これで本当に基板が完成です。完成したらフラックスを塗布しておきましょう。 以上で基板作成の講座は終了です。どうでしたか?わかっていただけたでしょうか?全体の所要時間は1時間〜1時間半程度です。自分で考えた電気回路を是非基板化する事をお勧めします。 ありがとうございました。
     
     
     
    【最後に】 現像液とエッチング液は適切な処理を行い廃棄して下さい。環境を守る為です。廃液の処理が出来ない人は基板を作る資格がありません。きっちり守りましょう。
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